【6月11日 AFP】多くの観衆が訪れた1994年サッカーW杯米国大会では、ロマーリオ(Romario)を擁するブラジルが相応しいタイトルを獲得し、史上最多となる4度目の優勝を果たした。

 アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)は、初戦のギリシャ戦で見事なゴールを決めるも、その後のドーピング検査で禁止薬物が検出され、大会から追放された。コロンビア代表のアンドレス・エスコバル(Andres Escobar)は、米国戦でオウンゴールを献上し、帰国後に射殺された。

 イタリアはロベルト・バッジョ(Roberto Baggio)の英雄的なプレーで決勝進出を果たした。好調のナイジェリアを退けベスト8進出を決めると、その後のスペイン戦でもバッジョの決勝点で準々決勝を突破した。イタリアは、準決勝でもバッジョの2得点でブルガリアを破ったが、決勝では残酷な運命のいたずらが待ち受けていた。

 ブラジルは、3-2でオランダに辛勝し準々決勝をくぐり抜けると、準決勝でもロマ―リオの卓越したプレーでスウェーデンを下した。

 決勝は無得点のまま史上初めてのPK戦に突入し、最後はバッジョが高く蹴り上げ、雌雄が決した。(c)AFP