【6月8日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)の西に位置するアンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)で7日、イスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」が市内の大学に立てこもり、学生と職員数百人を人質にとったが、特殊部隊の突入で人質は全員解放された。イラク政府が発表した。

 地元警察によると、ISILの戦闘員らは、付近のアルタシャ(Al-Tasha)地区からアンバル(Anbar)大学に侵入し、警備員数人を殺害した後、正門に通じる橋を爆破した。

 現地のAFP記者によると、特殊部隊が突入してキャンパスを奪還したが、その際に携行式ロケット弾を使用するなど、武装勢力との間で激しい銃撃戦になったという。

 アドナン・アサディ(Adnan al-Assadi)内務副大臣は電子メールで声明を発表し、治安部隊は「アンバル大学の学生寮から人質となっていた男女の学生全員を解放」し、出入り口にある検問所は復旧したと述べた。またサード・マーン(Saad Maan)内務省報道官はAFPに対し、人質は全員解放されたと述べたが、死傷者については言明しなかった。

 イラク北部では、治安部隊とイスラム武装勢力との激しい戦闘が2日目に入り、59人が死亡している。バグダッドでは、相次ぐ爆弾攻撃で少なくとも25人が死亡した。

 武装勢力は、この数日間に複数の州で大規模な作戦に乗り出しており、これまでの死者は200人を超える。イラク国内の治安はここ数年で最悪となっており、武装勢力の拡大が浮き彫りになっている。(c)AFP