【6月11日 AFP】開催国が暫定軍事政権であったために、出場国が大会をボイコットするおそれがあったにもかかわらず、アルゼンチンが地元開催となった1978年W杯を制した。

 長髪のストライカー、マリオ・ケンペス(Mario Kempes)を擁するアルゼンチンは、2次リーグの最終戦でペルーに6-0で大勝すると、南米のライバルであるブラジルを得失点差で上回り、決勝進出を果たした。

 前回王者の西ドイツは、ベルティ・フォクツ(Berti Vogts)がオウンゴールを献上するなどオーストリアに2-3で敗れ、オランダとイタリアを上回ることができず2次リーグ敗退に終わった。

 オーストリアに5-1で勝利するなど、2大会連続で決勝進出を果たしたオランダだったが、チームの中心選手だったヨハン・クライフ(Johan Cruyff)は母国に残り、大会を欠場していた。

 決勝でアルゼンチンは前半38分にケンペスの得点で先制し、ブエノスアイレス(Buenos Aires)に詰めかけた7万1483人の観衆は歓喜したが、オランダは終盤に途中出場のディック・ナニンハ(Dick Nanninga)のゴールで同点に追いついた。

 そして迎えた延長戦、ケンペスのゴールで再びリードしたアルゼンチンは、ダニエル・ベルトーニ(Daniel Bertoni)が追加点を挙げ、オランダを3-1で下し、主将のダニエル・パサレラ(Daniel Passarella)がトロフィーを掲げた。(c)AFP