【6月7日 AFP】スペイン・カナリア諸島(Canary Islands)の動物園の飼育係(35)が、脱走ゴリラの捕獲訓練中に誤って麻酔銃を撃たれ、病院に運ばれるという事故が起きていたことがわかった。

 カナリア諸島のランサローテ島(Lanzarote)にあるロロ動物園(Loro Park Zoo)では2日、ゴリラが脱出したという想定で訓練が行われていた。

 6日、AFPの取材に応じた同動物園の広報パトリシア・デルポンティ(Patricia Delponti)さんによると、麻酔銃を持った獣医師が放ったダート(矢)が飼育係に当たったという。

「理由は分からないが、誤って矢が横にいた同僚の足に刺さった。矢には体重200キロのゴリラを無力にする量の薬が使用されており、体重約100キロの人間の体に入るととても危険だ」

 獣医師はすぐ飼育係に解毒剤を注射した。

 飼育係は直ちに救急車でテネリフェ(Tenerife)島の大学病院の集中治療室に運ばれ、8時間後に目を覚ました。さらに集中治療室で2日間過ごし、1日の観察を経てから、ようやく5日朝に退院したという。

 デルポンティさんは、スペインの新聞が報道した、飼育係がゴリラの服を着ていたために獣医師が間違えて撃ったという説を一蹴した。

「ゴリラに変装もしていないし毛むくじゃらの衣装も着ていない。ゴリラと人間を間違えるなんて、あり得ない」(c)AFP