大人用おむつ着用しないと働けない…、待遇改善求めるタイのバス車掌ら
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■バンコクの女性車掌の28%が「おむつ」
トイレ休憩の不足に対しておむつ着用という過激な解決方法を選ばざるを得なかったのはワッチャリさんだけではない。最近の調査によればバンコク市内の女性車掌の28%が最大16時間のシフトの間におむつをはいていることが分かった。
調査を行った「女性と男性の進歩的運動基金(Women and Men Progressive Movement Foundation)」のディレクター、ジャディド・チョーウィライ(Jaded Chouwilai)氏は「衝撃を受けた」と語る。
「また女性の多くが尿路感染症や膀胱結石を患っていることも分かった。子宮がんになった女性車掌も多い」
タイの労働者階級と裕福なエリート層との格差問題は、タイの政治危機の要因の一つだ。タイでは反政権デモが数か月間続き、5月22日に軍事クーデターが起きている。
■労働条件の改善を
欧州の労働者と異なり、アジアの労働者はストライキをめったに行わない。またタイでは、国営企業の従業員がストライキを行うことが非合法化されている。
だがバンコクのバス車掌と労働組合は労働条件の改善を求める声を上げ始めている。
「(バス車掌の)労働条件は良くない」と、バンコクのBMTA労組のチュティマ・ブーンジャイ(Chutima Boonjai)氏は語る。BMTA労組はバスの路線沿いやターミナルへのトイレの増設を要求している。
「(バス車掌は)暑い中で長時間勤務しなければならず、空腹でも食べることができず、トイレに行きたくても行けない」
またバスの運転手は、腰痛や痔などの問題も抱えている。「最悪の事例は疲労と暑さによる高血圧やがん、脳卒中だ」と、ブーンジャイ氏は語った。(c)AFP/Daniel ROOK