【6月2日 AFP】サッカーW杯の公式球についての議論は、いつの時代にも分かれるようだ──。W杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で使われた公式球「ジャブラニ(Jabulani)」は、動きが予測できないどころか「超常現象」の域に達しているとも言われた。

 2002年日韓大会の「フィーバーノヴァ(Fevernova)」が軽量で飛びすぎるとされた一方、4年後のドイツ大会で使用された「チームガイスト(Teamgeist)」は滑りやすかったという声もある。

 日本の科学者らは5月29日、独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)が開発したW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の公式球「ブラズーカ(brazuca)」は、正確な方向に飛ぶはずだという見解を示した。

 英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」で発表した研究によれば、その形状と過去最少の6枚というパネル数のおかげで、ブラズーカは安定した飛行軌跡を描くのだという。

 通常のサッカーボールが32枚のパネルから成るのに対し、一大祭典のため4年ごとにデザインが新しくなる大会公式球は、チームガイストの14枚、ジャブラニの8枚など、使用されるパネル数が圧倒的に少ない。

 筑波大学(University of Tsukuba)の研究チームは、ブラズーカ、ジャブラニ、チームガイスト、コンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)の公式球「カフサ(Cafusa)」、そして32枚のパネルでできた通常のサッカーボールの空気力学的特性を比較するため、実験を行ったという。