【5月31日 AFP】世界中の何千万人もの人々が、第2次世界大戦(World War II)中のノルマンディー(Normandy)上陸作戦決行日「Dデー(D-Day)」70周年記念の映像を見る機会を奪われる可能性が出てきた。仏大統領府がホスト放送局に、国際通信社に対する放送権料の徴収を許可したためだ。

 フランスの公共放送機関「フランス・テレビジョン(France Televisions)」と民放のTF1は、英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)やバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領ら19人の国家元首と政府首脳が出席する6月6日の記念日の独占生放送権を与えられた。

 フランス・テレビジョンとTF1は、フランス通信(Agence France-PresseAFP)、AP通信(Associated Press)、ロイター(Reuters)、民放テレビ局の世界ネットワークENEXに対し、インターネットを含む式典の生中継再送権を与える見返りに約20万ユーロ(約2770万円)を要求するという前代未聞の動きに出た。

 放送権料を要求されたAFPなど上記4社は、提案された料金に異議を唱え、国際的に重要な歴史的事件の記念式典の放送は無料であるべきだと主張するとともに、実際にノルマンディーに赴いて式典に出席することができない「Dデー」復員軍人が、倒れた戦友の英雄的行為と犠牲をたたえる式典を見守る機会を奪われると指摘している。

 仏大統領府は当初、アクセスは無料としていたが、後にこの決定を覆した。 仏大統領府に対し正式に抗議した4社は、方針変更を求めるロビー活動を式典の直前まで続ける予定。(c)AFP