【5月29日 AFP】エジプトで28日までの3日間にわたって実施された大統領選で、352か所の投票所のうち312での開票が終了した時点で、同国軍の元トップ、アブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)前国防相が96.2%の票を獲得し、圧勝する見通しとなった。同国の国営テレビが報じた。

 シシ氏の唯一の対立候補、左派のハムディーン・サバヒ(Hamdeen Sabbahi)氏の得票率は3.8%となっている。

 イスラム組織出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を退陣に追い込んだシシ氏は、数年前から混乱が続くエジプトの安定を回復させることができる絶対的な指導者となり得る人物として、高い支持を集めた。

 モルシ政権崩壊後、イスラム主義勢力は徹底的な弾圧を受けており、シシ氏の当選は当初から確実視されていた。

 開票結果を受け、シシ氏の支持者らの多くが国旗を掲げて街中に繰り出し、花火を上げたり、車のクラクションを鳴らしたりして喜んだ。

 投票は当初、27日に締め切られる予定だったものの、直前になって1日延長することが決定。サバヒ氏側は、これに激しく抗議していた。

 選挙管理委員によると、27日の投票受け付け終了の時点で、投票率は約37%だった。政府系の日刊紙アルアハラム(Al-Ahram)(電子版)が伝えた選挙管理委員の話によると、約5400万人の全登録有権者のうち、最終的に2500万人が投票し、投票率は約46%だった。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH, Haitham EL-TABEI