【5月29日 AFP】ウクライナ東部ルガンスク(Lugansk)州で28日、政府軍が分離派の武装集団から襲撃を受け、双方に死傷者が出たもようだ。

 志願兵からなる国家警備隊(National Guard)は声明で、同隊の兵舎が急襲を受けたと発表。「政府軍部隊と襲撃側の双方に死傷者が出た」と明らかにしたが、その他の詳細には触れていない。

 ロシア国境に近い同州は4月以来、分離派勢力による事実上の支配下にある。ウクライナ当局はこの前日、分離派が占拠していた東部ドネツク(Donetsk)州の国際空港を奪還したと発表。その際の戦闘で、40人以上の分離派戦闘員が死亡している。

 ロシア系住民が多数を占める両州はいずれも「共和国」としての独立を宣言し、ロシアへの編入を求めている。両州で起きた騒乱ではこれまでに約200人が犠牲となり、スパイと疑われた欧州人や報道関係者が武装集団により拉致される事件が起きている。

 ウクライナ当局は現在、ドネツク市郊外で分離派の道路検問所で26日に行方不明となった欧州からの民間監視員4人の解放に向け尽力している。

 また欧州安保協力機構(OSCE)は、さらに11人の非武装監視員が28日に同市西方の道路検問所で足止めされ、釈放されるまでの短い間、連絡が取れない状態となったことを明らかにしている。(c)AFP