【5月28日 AFP】南スーダンでコレラの流行が発生し、これまでに670人以上が感染し、そのうち23人が死亡していると世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が27日、発表した。WHOは、今後さらに状況が悪化する恐れもあると警告している。

 WHOのアブディナシル・アブバカル(Abdinasir Abubakar)氏は、記者会見で、前日までに670人以上が治療を受け、うち23人がコレラで死亡していることを明らかにした。患者は全て首都ジュバ(Juba)で確認されているという。

 同氏はまた、ジョングレイ(Jonglei)州、レイク(Lakes)州、上ナイル(Upper Nile)州などの首都以外の地域でも、感染の疑いがある未確認の患者が多く見つかっていると警告し、「今はまだ流行の初期段階だ」と指摘した。

 同国では、サルバ・キール(Salva Kiir)大統領派の政府軍とリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領派の反乱軍との対立が激化しており、国連(UN)の施設で避難生活を送っている人が多数存在する。これら避難民の多くは、首都で確認されたコレラ感染の流行に強い懸念を示している。

 国連南スーダン派遣団(UNMISS)の広報によると、避難民であふれるジュバの国連トンピン(Tomping)施設では、流行リスク軽減を目的に避難民を別の場所に移しているという。

 しかし、同国では現在、広範囲で豪雨が発生しており、これがコレラの流行をさらに悪化させる可能性がある。

 コレラは、排せつ物や手に付着した汚れなどで汚染された水や食物を摂取することにより感染する。

 2~5日の短い潜伏期間後に激しい下痢を引き起こし、深刻な脱水症状を誘発する。突然の劇的な水分の喪失は、致命的な結果を招くことも少なくない。

 国連と救援活動従事者らは、国内での対立が長引くと、世界一若い国家の南スーダンで、飢きんリスクなどの人道的な危機がさらに高まると警鐘を鳴らしている。(c)AFP