【5月27日 AFP】ウクライナ東部ドネツク(Donetsk)で26日、主要空港の支配をめぐり、親ロシア派の武装集団と政府軍部隊との間で激しい戦闘が起きた。同市の市長は「民間人に死傷者」が出ているとして、地元住民に屋内にとどまるよう呼び掛けている。

 ウクライナ軍は、武装集団が占拠したドネツク空港の建物に対し、戦闘機と戦闘用ヘリコプターを使った空爆を実施。その後、数時間にわたる激しい銃撃戦が続いた。空港施設からは黒煙が立ち上り、爆発や激しい銃撃の音が一日中鳴り響いた。

 今回の戦闘は、ウクライナ東部で4月上旬から反乱行為を続ける親ロシア派の掃討を目指した政府軍の作戦の中で最大のものとなった。

 戦闘による死傷者は確認されていないが、現地のAFP特派員は空港近くのドネツク駅の近くで女性1人の遺体を目撃した。ただ、その死因は定かではない。

 戦闘が起きたのと同じ26日には、前日に投開票が行われたウクライナ大統領選で、親欧米派の実業家ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)氏が54%の票を獲得し当選したことが正式に発表されていた。ドネツクの武装集団は、同氏の当選への反発を示すため空港を占拠したとみられる。(c)AFP