【5月25日 AFP】米カリフォルニア(California)州の海岸沿いにある学生街で23日夜、何者かが車で移動しながら発砲し、6人が死亡、7人が負傷した。警察は24日、「計画的な大量殺人」である可能性を示唆した。

 事件が起きたのは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California Santa BarbaraUCSB)周辺で、最初の発砲があったのは、23日午後9時半ごろ(日本時間24日午後1時半ごろ)だった。警察当局によると、容疑者は、同キャンパス近くのアイラ・ビスタ(Isla Vista)地区で、警察との銃撃戦の際に死亡した。死亡原因が、自殺と警察による発砲のどちらであったかは明らかになっていない。

 まだ身元が明らかになっていないこの容疑者は、学生らが街に繰り出す金曜日の夜に、黒いBMWで移動しながら同地域の複数の場所で歩行者らに向けて銃を複数回発砲した。

 サンタバーバラ郡のビル・ブラウン(Bill Brown)保安官は報道陣に対し、「われわれは、この残虐な行為が、あらかじめ計画された大量殺人であったことを示唆する文書やビデオテープなどの証拠品を入手し、現在分析を進めている」と述べ、事件現場は全部で「9か所と特定された」と明らかにした。

 テレビでは、通りを埋め尽くす救急車や警察車両の映像が流された。目撃者らは、初めのうち銃声を花火か爆竹だと思ったと話している。

 そのうちの1人、最初に発砲があった現場近くのレストランのテラス席で食事をしていた男性は、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に対し、2度目の発砲が始まった際に、警察官から、「店内に入り身を守るようにと指示された」と語った。

 また別の目撃者は、米NBCテレビの地元支局に対し、BMWがデリの前に止まり、店の前で食事をしていたグループに対する12~20発の銃声を聞いたと語った。

 容疑者の目の前にいたという女性は、米CNNテレビに対し、容疑者の「小型の黒いピストル」をエアソフトガンと勘違いして歩き始めたところで、背後から発砲されたという。女性は涙をこらえながら、「風が顔をかすめていくような感じだった」と語った。(c)AFP