チームはこれまで、ISEE-3の位置を特定し、ISEE-3からの信号を受信することに成功している。

 次の段階は、ISEE-3にメッセージを送信し、ISEE-3がそれを受信して応答できるかどうかを確認することだ。それが可能であれば、チームは「ISEE-3に何かをするように伝えて、それを実行させる」予定だという。

 カウイング氏によると、これがすべてうまくいく可能性は五分五分だという。

「要するにISEE-3は1978年以来ずっと『つけっぱなし』になっているということだ。ずっとつけっぱなしのテレビを想像してみるといい」「ISEE-3はまだ機能しており、電波信号を送り続けている」

 だが「ロケットに点火して、ISEE-3を軌道に乗せること」には別次元の複雑さが伴うとカウイング氏は指摘する。

■「われわれならできる」

 すべてが計画通りに進行すれば、チームは8月半ばまでに、ISEE-3を新たな軌道に乗せる試みを行う予定になっている。メンバーの中には、時間と機材を無償で提供している人や、クラウドファンディングのウェブサイトで集められた14万2000ドル(約1450万円)以上の資金の中から報酬を得ている人もいる。

 チームはその後、古い科学機器をすべて再起動して作動させる試みを行う見込みだ。