■「外国のものは何でも良い」?

 だが、悠久の歴史を誇り、世界的な影響力を取り戻しつつある中国にとって、模造品があふれた現状は誇りを傷つけるのではないかという声も上がっている。

 国営の新華社(Xinhua)通信は今年3月、「不気味なコピー建築がはびこる風景」に警鐘を鳴らす記事の中で、中国人民大学(Renmin University)の陳雨露(Chen Yulu)学長が中国の学生たちに、「欧州の建築を模倣するのは慎んで、自国の文化をもり立てるように一生懸命勉強しなさい」と述べたと報じた。

 ボスカー氏は、国際的地位と経済力が向上するにつれ、中国は自らの内部から着想を得ようとするだろうと指摘し、すでに「自分たちが培ってきた本来の流儀に対する新たな自信と関心が出てきているようだ」と述べた。

 ラシュモア山のレプリカが展示されている公園で出会った20代の男性、マオ(Mao)さんは、過去に中国が支配的だったころ、周辺国は中国の文化を模倣したが、再び中国が主導権を握ったならば、また同じような状態になるだろうと主張し、「何か良いものがあれば模倣する。これは中国だけではなく、どこの国や社会でもやっていることだ」と指摘した。

 だが、友達と一緒に歩いていた27歳の女性フアン(Huang)さんは、自国の遺産をもっと活用していくべきだと主張し、「中国人は、外国のものは何でも良いもので、英語で書かれたものは、自分たちが読めるかどうか関係なしに良いとみなしてしまうようだ。中国は他国より劣っているわけではないのに、誰も中国の過去に関心を払おうとしない」と話した。(c)AFP/Carol HUANG