平和愛するも 「独裁者に武器販売」、スウェーデンの矛盾
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■「独裁者に武器売却」
「人権を侵害している人物や独裁者たちに彼らの権力維持を助ける物資を渡すことについては、スウェーデン人は自分たちのことをとても倫理的で抑制的だと考えている。だが現実は、それが行われているのだ」と、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)の武器専門家、シーモン・ウェゼマン(Siemon Wezeman)氏は語る。
「過去10年ほどは、彼ら(スウェーデン人)はこのことについて以前よりはばからないようになった。なぜならばそれら(独裁者ら)が彼らの市場だからだ」
「昔は、彼ら(スウェーデン人)は人権上の懸念からサウジアラビアと取引をすることがなかった──サウジアラビアはありとあらゆる警鐘を鳴らすような場所だからね──だがそれも変わった。彼ら(スウェーデン人)はあそこ(サウジアラビア)にEriye(レーダー追跡システム)や対戦車ミサイルを売り、他の兵器も販売した」
秘密の取引もある。2012年にスウェーデンの公共ラジオが暴露した内容によると、スウェーデンの国防研究機関が秘密裏にサウジアラビアへミサイル工場に関する技術支援を行っていた。この暴露は当時の国防相の辞任をもたらし、武器売却についての新たな倫理規定に向けた調査を開始させた。
最も物議を醸した取引の1つは、米軍など世界各国の軍隊で使用されているサーブ製のカールグスタフ・ロケットランチャーが、本来であればスウェーデンが取引を行わない相手であるミャンマーの軍事政権やソマリアのイスラム過激派組織アルシャバーブ(Al Shebab)の手に渡った可能性が報告されたという出来事だった。
平和活動家のマーティン・スメジェバック(Martin Smedjeback)氏は、スウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)との連携を強化する中、同国が大規模な軍需産業を作った理由──自立と独立──が、同国の中立政策とともに、すでになくなっていると指摘し、「そこで政治家たちは雇用と技術開発の話題を取り上げる」と語った。