【5月20日 AFP】開幕まで1か月を切ったサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のホテルの宿泊料金が高いと感じている人たちのために別の選択肢がある。ラブホテルや「鎮静化」された貧民街の宿、あるいは賃貸物件での滞在だ。

 ブラジル観光公社(EMBRATUR)によると、6月12日~7月13日まで開催されるW杯期間中に訪れる外国人観光客は60万人で、このうち約40万人がリオに滞在すると見込まれている。

 EMBRATURいわく、米ニューヨーク(New York)、仏パリ(Paris)に次いで世界で3番目にホテル料金が高い都市とされるリオでの1泊の平均料金は247ドル(約2万5000円)だが、旅行情報サイト「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」の3月の発表では、W杯期間中の料金はさらにじりじりと値が上がり、484ドル(約4万9000円)に達した。市内の人気観光地コパカバーナ(Copacabana)では693ドル(約7万5000円)まで上がった。

 それでも観光客の足が遠のくことはないと自負するのは、リオデジャネイロ宿泊産業協会(ABIH-RJ)だ。アルフレッド・ロペス(Alfredo Lopes)会長は、W杯決勝の日には宿泊施設の客室稼働率が90~100%に達すると予想する。

 ブラジルは全国のホテルの建設・改修に40億ドル(約4000億円)を投じており、このうちリオだけで15億ドル(約1500億円)が250軒のホテル新設に充てられた。「2010年の(リオの)総客室数は2万9000室だったが、W杯で6800室が増える。五輪がある2016年までにはさらに1万3000室増え、計5万室になるだろう」とロペス氏は語った。

 ロペス会長によると、リオにはラブホテルも約60軒あるが、中には「天井に貼られた鏡を取り外したり、回転ベッドを普通のベッドに交換したり」といった改修を行ったところもある。ラブホテル協会の副会長によれば、W杯期間中は1000室が利用可能で、料金は一晩100~375ドル(約1万1000円~3万8000円)と通常のホテルよりも割安だ。