【5月19日 AFP】ブラジル北東部セルジペ(Sergipe)州の刑務所で受刑者が面会に訪れていた親族ら100人以上を人質にとって立てこもっていた事件は、18日までに全ての人質が解放された。

 事件はセルジペ州の州都アラカジュ(Aracaju)にあるアドボガード・ジャシント・フィロ(Advogado Jacinto Filho)刑務所で17日、受刑者面会の終了時刻に暴動が起き、受刑者が看守4人と面会に訪れていた100人以上の親族を人質にとって立てこもっていたもの。

 交渉で、まず看守1人が解放され、残る人質も数時間後に全員解放された。

 州当局者によると、現在までに事態は収束した。人質となっていた親族は当初発表の118人より多い計127人で、このなかには子ども15人が含まれていた。受刑者側との交渉は緊迫していたが、落ち着いて進められたという。

 最初に解放された看守はけがをしていたとの報道もある。

 受刑者側との交渉の結果、受刑者16人が別の刑務所に移送されることが決まった。

 暴動を起こしたのは同刑務所に一時的に収容されていた入所から日が浅い受刑者たちで、他の刑務所への移送を要求していた。

 同刑務所は警備が非常に厳しいことで知られ、外部からの食べ物の持ち込みは禁じられているほか、屋外で過ごす時間は厳しく制限され、携帯電話の使用は禁止されている。

 今回の騒動は2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の開幕が26日後に迫る中で発生した。ブラジル国内ではW杯開催に費用がかかりすぎだとの抗議活動が相次いでいる。セルジペ州ではW杯の試合が行われる予定はない。(c)AFP/Moises AVILA