【5月19日 AFP】西アフリカのマリ北部キダル(Kidal)で17日夜、同国からの分離独立を目指す武装勢力が政府軍と衝突し、36人が死亡した。マリ政府が18日、発表した。

 発表によると、戦闘はムーサ・マラ(Moussa Mara)首相が砂漠地帯にある同市を訪問中に、キダル州知事事務所の外で起きた。兵士8人、武装勢力側の28人が死亡したほか、当局職員30人が武装勢力に身柄を拘束されているという。

 ムーサ・マラ(Moussa Mara)首相は18日、AFPの電話取材に「テロリストたちは、マリに対し戦争を布告した。これは、わが国がテロリストとの戦争状態にあることを意味する。この戦争を戦うための資源を動員する」と語った。

 17日の戦闘での武装勢力について政府は、トゥアレグ(Tuareg)人の分離独立勢力だとしているが、マラ首相は、「他のテロリスト集団と共にこの混乱に加担するために」キダルに潜入した複数のイスラム系武装勢力の関与も指摘した。

 首都バマコ(Bamako)から北東へ1500キロの位置にあるキダルでは16、17両日、数百人が参加する反政府デモが行われていた。

 これとは別に、マリ北部の治安安定化に努める国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)も18日、キダルで民間人2人とマリ当局職員6人が殺害されたと発表した。ただし殺害された日時や状況、犠牲者の身元、犯行グループなどの詳細は明らかにしておらず、事件が17日夜に起きた戦闘と関連しているかは不明だ。(c)AFP