■なくならない無駄

 水が豊富であることは、皮肉な結果ももたらしている。

「水道料金の請求書がないから、節水意識が低く、水が無駄遣いされる」とドロギ氏は語り、何時間もかけて芝生に水を与えたり、大量の水で洗車したりするカナダ人の日常を描写した。

 カナダ人は1日平均300~400リットルの水を消費する──これは世界で最も消費量の多い国の1つだ。水道メーターがないため、この数字もただの推計に過ぎない、とロドリゲス氏は指摘する。

 モントリオール(Montreal)市では、1日に居住者1人当たり934リットルの飲料水を生産しているが、このうち多くが老朽化した水道管を流れる間に漏れ出している。同じ問題はカナダ全土でみられ、環境省の統計によると各家庭に届くまでに水道管からどれだけの水が漏れたかを示す漏水率は約30%に上るという。

 これまでのところ漏水対策は控えめだ。たとえば、ケベック州は2017年までに漏水率を20%にまで減らすことを目指し、水道管の改修を予定している。(c)AFP/Jacques LEMIEUX