【5月15日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は14日、女性として初めて同紙編集主幹を務めたジル・エイブラムソン(Jill Abramson)氏が退任し、編集局長のディーン・バケー(Dean Baquet)氏が後任に就くと発表した。バケー氏はアフリカ系米国人初の編集主幹となる。

 エイブラムソン氏の退任は、発行人のアーサー・サルツバーガー(Arthur Sulzberger)会長が自ら発表した。NYタイムズ紙は退任を報じる記事で、「編集主幹交代の理由は不明」と伝えている。

 米国を代表する新聞の編集トップの突然の交代について、米誌ニューヨーカー(New Yorker)や米公共ラジオ局NPRは、エイブラムソン氏が給与をめぐって会社上層部ともめていたと報じている。それによれば、エイブラムソン氏の給与は前任者の男性より低く、社内には同氏が女性だということが今回の交代劇の背景にあるのではないかとの憶測が広がっているという。

 しかし、NYタイムズ広報はこの報道を否定。編集主幹交代は、サルツバーガー氏が編集局の運営に関して懸念を示した結果だと、AFPの取材に説明した。(c)AFP