【5月13日 AFP】ウクライナ東部ドネツク(Donetsk)州の親ロシア勢力は12日、独立の是非を問う住民投票で「圧倒的多数」が賛成票を投じたとして、ロシア政府に同州を編入するよう要請した。

 ドネツク州の親露派はこれに先立ち、11日に実施された住民投票の投票率は75%で、89%が分離独立に賛成したとの結果を発表していた。また同様の住民投票が行われた東部ルガンスク(Lugansk)州の親露派も、94%が独立に賛成したと発表している。

 ドネツク州の州知事を自認する親露派のデニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏は、記者らに対し「われわれは『ドネツク人民共和国』のロシア連邦への編入を検討するよう、ロシア連邦に要請する」と表明。さらに、治安回復には必要不可欠とみなされている今月25日の大統領選について、ドネツク州では「実施されない」と宣言した。

 東部2州で行われた住民投票について、ウクライナ暫定政権は「恥ずべき茶番」と非難し、欧米諸国からも批判の声が上がっている。

 一方のロシア政府は投票結果を「尊重する」としつつも、東部2州の親露派と暫定政権との対話を呼び掛け、交渉による問題解決の可能性を残した。

 ロシア政府は今年3月、同様の住民投票が実施されたウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を迅速に編入しており、東部の2州でも同様の措置を取ることが懸念されていたが、このロシア側の動きによって、その懸念は和らげられた。(c)AFP/Max DELANY with Richard CARTER in Kiev