【5月12日 AFP】イランは11日、2011年12月に押収した米国の無人偵察機の複製に成功したと発表した。国営テレビは複製された無人機とみられる機体の映像を放映した。

 米国メディアによると、イランは2011年にイラン国内にある核施設を偵察中だったとみられる米無人機「RQ170センチネル(RQ-170 Sentinel)」を押収していた。

 イラン政府高官はテレビ映像のなかで、「わが国の技術者たちは、米無人機の秘密の解明と複製に成功した。まもなく複製機の試験飛行を実施する」と語った。

 映像では、イラン軍の革命防衛隊(Revolutionary Guards)航空団が開いた展示会に出席する同国の最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師が写されている。同展はイランの軍事面における進歩に関するもので、特に弾道ミサイルや無人機が目玉となっており、映像には、うり二つの無人機2機が映っている。

 イランは、砂漠地域を飛行していた超高性能の米無人機を強制着陸させ、ほとんど無傷で回収したと主張している。

 これに対し米国側も、同無人機が制御不能となったと発表。当時、米軍高官らは無人機が搭載する暗号化情報の解読技術をイランはもっていないとして、無人機押収は大事ではないことを印象付けようと務めた一方、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はイラン政府に無人機の返還を求めていた。(c)AFP