■がれきの街に住民戻る

 シリア国営シリア・アラブ通信(Syrian Arab News AgencySANA)はホムス県のバラジ知事の話として、政府軍は9日にホムスの旧市街に入り、反体制派が残した爆発物の撤去を開始したと伝えた。

 3年にわたるシリア内戦で、政府軍は国内各地で包囲戦を展開しているが、ホムスの旧市街ほど長期間にわたって包囲されたところはない。

 2年にわたる包囲下で毎日のように砲爆撃を受けた街は破壊され尽くした。店のショーウインドーにはひびが入り、わずかに残っている壁には弾痕が多くあった。この間、約2200人が死亡し、生き残った人は草などを食べて命をつないだ。

 がれきと化した旧市街のキリスト教徒地区ハミディーエ(Hamidiyeh)に、数百人の民間人が戻り始め、自分たちの家の何が残っているかを確かめた。

 ジャクリーン・ファウアズ(Jaqueline Fawwaz)さん(30)は、「フェイスブック(Facebook)で私の家が破壊されたのを見ましたが、信じられませんでした。私の目で見て確認したいんです」と語った。

 夫と共に戻って来た匿名希望の女性(45)は、「自宅の状態を確かめに来ましたが、見つけられませんでした。屋根も壁もない。見つかったのはこのコーヒーカップだけです」と語った。(c)AFP/Rim HADDAD