また露サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)市議会のビタリー・ミロノフ(Vitaly Milonov)議員は、ロシアのユーロビジョン選考委員会に対し、同歌謡祭が「同性愛と精神の堕落のあけすけなプロパガンダ」だとして、ロシアからアーティストを参加させないように要請したとされる。

 またオーストリア国内でも風当たりは強い。保守政党の党首は、そのパフォーマンスを「ばかばかしい」と評し、「男か女か分からないやつは、歌のコンテストではなく精神病院に行くべきだ」と発言。ドイツ語版フェイスブック(Facebook)で立ち上げられたウルストのオーストリア代表選出に抗議するページは、約4万人の「いいね」を集めた。

 さらには同性愛者のコミュニティーからも、「毛深い女装者」というキャラクターが、自分の性的指向について思い悩む人々を「おびえさせる」のではないかという懸念が上がっている。

 ウルストは「多くの人が、『私は同性愛者だけど、それを表現するためにひげとドレスは必要ない』と言う」と話す。

「自分が同性愛者かどうか確証が持てず、この(キャラクターの)変化についてちょっと怖がっている人には、こう言いたい。私にはあなたたちを怖がらせるつもりはない、って」

「私はただ、どんな姿をしていても受け入れてもらえる、ということを示したいだけ。やってはいけないことなんてないの」

(c)AFP/Sören BILLING