【5月9日 AFP】米オクラホマ(Oklahoma)州で先週、死刑執行の薬物注射に失敗し、死亡した死刑囚に「拷問を与えた」と批判が起きている事態を受け、同州最高裁は8日、死刑執行を今後6か月間、停止することに同意した。

 4月29日に同州で、殺人と強姦(ごうかん)罪で有罪が確定したクレイトン・ロケット(Clayton Lockett)死刑囚の刑が執行された際、同死刑囚が苦しんだ末に注射から43分後に死亡したことから米国では死刑をめぐる論争が再燃している。死刑の執行は3種類の薬物を段階的に注射する方法で行われたが、試験が行われていなかった新しい薬物の組み合わせが用いられていた。

 これを受け、オクラホマ州刑事控訴裁(Oklahoma Court of Criminal Appeals)は、ロケット死刑囚と同じ日に刑が執行される予定だったチャールズ・ワーナー(Charles Warner)死刑囚について当初、今月13日に執行を延期したが、さらに半年先の11月13日に執行日を設定し直した。ワーナー死刑囚は、交際していた女性の生後11か月の子どもを強姦して殺害した罪で刑が確定している。

 州司法長官事務所も刑事控訴裁の決定を支持し「(オクラホマ州公安局の)マイケル・C・トンプソン(Michael C. Thompson)長官の調査が完了するまで180日間、(死刑執行を)停止することについて、州当局に異存はない」と発表した。ただし、州矯正局長官が要請した無期限延期は「保証されない」とも述べている。

 刑事控訴裁はオクラホマ当局に対し、調査の最新状況とともに、死刑執行の手順に変更を加えた場合にはそれも常に報告するよう命じた。(c)AFP