【5月8日 AFP】エジプト考古省は7日、エジプト第1王朝より古い5600年前の墓とミイラが発掘されたと発表した。エジプトの先王朝時代に新たな光を当てる発見だ。

 考古省によると、発見された墓は、紀元前31世紀に上エジプトと下エジプトを統一してエジプト第1王朝を創始したナルメル(Narmer)王の統治期間よりも古い時代のものという。

 墓が発見されたのはルクソール(Luxor)とアスワン(Aswan)の間のコム・アハマル(Kom al-Ahmar)地域にある古代都市ヒエラコンポリス(Hierakonpolis)の遺跡。ヒエラコンポリスは上エジプト王国(Kingdom of Upper Egypt)の首都だった。

 考古学者らは、ひげを生やした男性の象牙の像や、10代後半で死亡したとみられる墓の主のミイラなどを発見した。また象牙のくし10本や道具類、刃物、矢尻も見つかった。

 国際考古学チームの代表、レネー・フリードマン(Renee Friedman)氏は、墓の保存状態が良いことから、先王朝時代の儀式について新たな情報が得られる可能性が高いと述べている。

 ヒエラコンポリスでは、ナルメル王と、エジプト統一の道を開いた先王朝時代のカー(Ka)王の墓が発見されていた。(c)AFP