【5月7日 AFP】イタリア・ルネサンス期の芸術家ミケランジェロ(Michelangelo)の作品「ダビデ像」の足首に亀裂がみつかり、同像が倒壊する危険性が先週、専門家らによって指摘された。指摘を受けた美術館は6日、ダビデ像倒壊の危険性はないとの考えを明らかにし、これを真っ向から否定した。

「仮にマグニチュード(M)5.0や5.5の地震が起きたとしても、フィレンツェは無事だ。そして仮にダビデ像が倒壊するとしても、それは何よりも最後になるだろう」と美術館の広報担当者マルコ・フェリ(Marco Ferri)氏はAFPの取材に語った。

 イタリア学術研究会議(CNR)は先週、ダビデ像の「両脚の低い位置に複数の小さな亀裂」があり、「その安定性を脅かしている」と警告する報告書を発表した。

 報告書によると、亀裂は1504年に像が完成し、シニョリーア広場(Piazza della Signoria)に設置されてから、保存のために美術館に移された1873年までの間に生じたものとみられる。

 また報告書によると、ダビデ像の台座は5度ほど傾いているため、これが像に負荷をかけているという。

 だがフェリ氏は「この発見には何ら驚く点はない」と述べ、今後も像の監視を続けると語った。美術館では、ダビデ像の振動を監視しており、展示室に一度に入れる来場者の数を制限するなど対策を講じている。現在、像への振動は減少したとされる。

 フィレンツェにある美術館の昨年の来場者数は500万人を超えた。多くはダビデ像とウフィツィ美術館(Uffizi Gallery)を訪れている。(c)AFP