■経験を基にネットいじめ被害者を支援

 スキャンダル後のルインスキーさんは大学に戻り、外国で暮らした後、広報やマーケティングなどのさまざまな職種に応募したが、会社側はルインスキーさんの「経歴」がそうした仕事には向かないといって難色を示した。ルインスキーさんは不安から時に自殺を考え、母親は人々から投げ掛けられる汚名や軽蔑のせいで「文字通り、恥のために死んでしまう」のではないかと心配した。

 ルインスキーさんの苦難は2010年、米ラトガース大学(Rutgers University)の男子学生で同性愛者だったタイラー・クレメンティ(Tyler Clementi)さんが、男性とキスしている場面をインターネットで中継され、自殺した事件が起きたことにより、新たな意味をもった。

 世界中のネット上での屈辱に耐えた最初の著名人の一人として、ルインスキーさんは、クレメンティさんのようなネットいじめやハラスメントの犠牲者を支援したいと語る。「私の経験を共有することで、屈辱の底にいる人々の助けになれるかもしれない」

 今はもう「クリントン氏の世界」にとらわれてはいないと宣言するルインスキーさんだが、時折ヒラリー・クリントン氏のことが頭の中をよぎり、元大統領夫人が次期大統領選に出馬するのかどうか考えることがあるとも告白している。2008年、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領にヒラリー氏が負けた民主党の予備選の際には、ルインスキーさんは再び政界の渦に引きずり込まれた。ここ数か月間は、「(ヒラリー氏が)次期大統領選への出馬を決めた場合に、自分が『問題となる』ことに不安を募らせている」という。

 過去に起きたことを正すためには「何でも差し出す」というルインスキーさんだが、テレビ番組で公に過去と向き合うことは「再び自分に『緋文字』の烙印(らくいん)をおすことでしかなかった」と回想する。「一度その烙印をおされたら、それを消し去るのは本当に、ひどくやっかいなのです」

(c)AFP/Anne RENAUT