【5月2日 AFP】インターネット上で入手した性的な写真や動画を使って金を脅し取る国際犯罪網をめぐり、フィリピンで58人が逮捕された。国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)と地元警察が2日、合同記者会見で明らかにした。

 オンライン経由で性的な画像を入手して、写っている人物をゆする犯罪は「セックストーション」(「sex、性的な」と「extortion、脅迫」を合わせた造語)と呼ばれる。当局によると、容疑者らはフィリピン国外在住の被害者らをだまして性的な写真や動画を入手し、大金を脅し取っていたとされる。

 フィリピン国家警察庁(PNP)のアラン・プリシマ(Alan Purisima)長官は、58人を児童ポルノや恐喝、インターネット利用詐欺などの容疑で訴追する方針を示した。

■若い女性に誘われ「サイバーセックス」

 プリシマ長官が説明した典型的な手口は、次のようなものだ。

 まず、魅力的な容姿の若い女性が、フェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアを通じて海外の被害者と接触し、ある程度仲良くなってから性的な関係を持ちかける。被害者が女性の誘いに乗ってネットを介した疑似性行為「サイバーセックス」を楽しむようになると、被害者には知らせずにその様子を録画。家族や友人にばらまくと脅し、金をゆすり取る。

 プリシマ長官によれば、これまで被害者の支払った金額は500ペソ~50万ペソ(約1150円~115万円)で、高齢男性が標的にされていた一方、未成年の被害者もいたという。(c)AFP