ロベル氏は「最近の収穫高の向上は、全体的に見ると良い知らせだ。だが農業収穫高は現在、好ましい天候下で最速のペースで向上しているので、そのような天気になるかどうかはますます運任せの要素が強くなっている」と話す。

「つまり、気候変動によって暑くて雨の降らない天気が増えることが予測される状況では、同時にそのような天候による悪影響も大きくなるということだ」

 一方、大豆はトウモロコシほど干ばつに弱くなっていないと研究チームは指摘する。大豆は、米国では遺伝子組み換えが行われているケースは多いが、作付けの密度はここ数年変わっていないという。

 今回の研究は、1995年~2012年の米農務省(US Department of AgricultureUSDA)収穫保険の記録100万件以上を分析した結果に基づいている。

 米イリノイ大学(University of Illinois)のドナルド・オルト(Donald Ort)氏とスティーブン・ロング(Stephen Long)氏は、本論文に付随して掲載された解説記事の中で、トウモロコシの植え付け方法を変えたところで、その恩恵には限度があると記している。

「唯一の真の解決策は、野放しにすると気温上昇を引き起こす二酸化炭素(CO2)の排出を回避することだ」(c)AFP