成人糖尿病患者のES細胞からインスリン生成細胞作製、国際研究
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■クローン技術
体細胞核移植(SCNT)法として専門的に知られている技術は、治療方法を模索する研究で利用されているが、クローン作製の第一段階でもあり、史上初めてのクローン動物、ヒツジの「ドリー(Dolly)」を作るのに用いられた。
SCNT法は多くの国々で禁止されている。
研究チームによると、この最新の研究では、細胞を培養する際の培養液として使用される化学薬品を変更することで「技術的な改善」を行ったという。
またこの技術で作製した幹細胞を誘導することで、ベータ細胞を含むさまざまな種類の成熟細胞に変化させることが可能だと研究チームは述べている。
研究チームは以前にも同様の方法でベータ細胞を作製したが、その際には核を取り除いていない卵細胞を使用した。その結果、3組の染色体を持つ幹細胞ができたため、治療には向かないと判断された。
だが新たに改善した方法を用いることで、正常な2組の染色体を持つ幹細胞ができた、と研究チームは記している。
一方、米ケース・ウエスタン・リザーブ大学医学部(Case Western Reserve School of Medicine)の生命倫理学者、インス・ヒョン(Insoo Hyun)氏は、こうした研究によって、将来的にヒト新生児のクローンが作製されたり、ヒト胚が研究のために作られ無情に破壊されたりすることが懸念されるとして、監視体制の強化を呼び掛けている。
研究で作られたベータ細胞については、まだ細胞置換療法には使用できないと研究チームは述べている。ベータ細胞は糖尿病患者の免疫系による攻撃を受けるが、こうした攻撃からベータ細胞を守る方法はまだ見つかっていないことがその理由だという。(c)AFP/Mariette LE ROUX