【4月30日 AFP】米政府は29日、イランの弾道ミサイル計画への支援に関与した疑いで新たな制裁対象を公表するとともに、同計画への「主要な供給元」となったとみられる中国人の男に500万ドル(約5億円)の懸賞金を出すと発表した。

 米政府によると、李方偉(リ・ファンウェイ、Li Fangwei)、別名カール・リー(Karl Lee)容疑者は、米国が同容疑者とその会社「LIMMT経貿公司(LIMMT Economic and Trade)」を最初に制裁対象とした2009年以降も、装置や原料の提供を継続していたという。

 米司法省の今回の発表によると、同容疑者は、中国に拠点を置く複数のフロント企業を使い、イランから支払われた数百万ドルの代金を、米金融システムを経由して受け取っていたという。

 さらに米司法省は、その代金に関連して、米銀行に中国の銀行が開設した口座から700万ドル(約7億円)近くを差し押さえたとしている。米司法省によると同容疑者は2006~14年にフロント企業を通じて米ドル建て取引を165回以上行い、その総額は850万ドル(約8億7000万円)を超えたとしている。

 同容疑者には、国際緊急事態経済権限法(International Emergency Economic Powers ActIEEPA)に違反した疑いが持たれている。同法に基づき、同容疑者は米金融システムの利用が禁じられている。さらに、電子通信手段による詐欺、銀行詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)の容疑もかけられている。(c)AFP