【4月29日 AFP】 がんで治療の手だてがないと診断された英国の若者が寄付を集めるチャリティーサイト「ジャストギビング(JustGiving)」を通じて呼び掛けていた寄付が26日、250万ポンド(約4億3000万円)を超え、同サイトの記録を更新した。

 スティーブン・サットン(Stephen Sutton)さん(19)は15歳のときに大腸がんと診断された。手術を受けたもののがんは転移し、医師たちはもはや治療する手だてがないと判断した。

 サットンさんが10代のがん患者のための基金「Teenage Cancer Trust」のためにまず1万ポンド(約170万円)を目標に寄付を募ったところ、この目標はすぐに達成された。サットンさんは右の肺が機能不全に陥ったため100万ポンド(約1億7000万円)到達まで生きられないのではないかと恐れ始めたが、この目標も今月23日に突破した。

 サットンさんは25日、「とても気分がいいし、今のところは体調も安定しているといえる」とフェイスブック(Facebook)に書き込んだ。

「最近体調が良くなっている理由はいろいろあると思う。大げさに感動的なことを言いたくはないが、みんなの前向きな思いやサポートに本当に感謝していることは言っておきたい」

「僕の体にはまだあちこちに腫瘍があって危険な状態だけれど、まだここにいられることに自分はとても幸運だと感じている。そして、このように意義のあることを手伝える立場にあることを光栄に思う」

「僕から、そして将来このお金の恩恵を受けるすべての若いがん患者から、ありがとうと伝えたい。この数日間は、人間と世界はどれほど素晴らしい存在になれるのかということを僕に教えてくれた」

 10万人以上がサットンさんの寄付の呼び掛けに応じた。Teenage Cancer Trustが過去に受け取った個別の寄付金の最高額は50万ポンド(約8600万円)だった。(c)AFP