■地震は年間1000から3000回

 地震については、「この30年で最大だったが、そんなに強い揺れではなかった」と、米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)の火山専門家、ピーター・セルベーリ(Peter Cervelli)氏は言う。

 イエローストーンでは年間1000から3000回の地震があることを考えれば、あのような揺れはそれほど珍しいことではなかった。

■少なくとも1万年は大噴火ない

「私たちは常に準備はしているが、すべてを完璧に分かっているとは言わない」と、セルベーリ氏は言う。それでも彼は「今後約1万年は」大きな噴火が起きることはないと予測する。

 セルベーリ氏の自信は、GPSや地震計など巨大火山の活動をモニターするさまざまなデータの分析に基づいている。またイエローストーンには、同氏のような専門家が10人ほど常駐して、火山の活動をモニタリングしている。

 地質学者でオレゴン大学(University of Oregon)教授のイリヤ・ビンデマン(Ilya Bindeman)氏も、イエローストーンの火山岩の鉱物の分析から、直ちに噴火することはないと確信しているとし、「私たちは過去の活動を知っており、それと比較してイエローストーンが今どの状態にあるかもわかっている」と述べた。

 ビンデマン氏の分析では、イエローストーンの火山は休止期にあるという。同氏は「カルデラのサイクルは数百万年で、その後は休止状態に入る。近い将来に大噴火が起きるとは思わない。少なくとも100万から200万年以内には」と語った。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI