【4月28日 AFP】フランス・パリ(Paris)の警視庁本部庁舎内で観光客のカナダ人女性をレイプしたとして、エリート警察官2人が27日、訴追された。仏国内には衝撃が広がっている。

 事件は、カナダ人女性(34)が21日夜~翌22日未明にパリ警視庁の本部庁舎内で暴行されたと告訴したもの。警察官4人が身柄を拘束されたが、捜査関係筋によるとこのうち2人は26日に釈放され、組織犯罪を専門とする精鋭部隊「BRI(捜査介入部隊)」に所属する2人が起訴されたという。

 一方、内務省は27日、4人のうち不起訴となった1人を含む3人を職務停止処分としたと発表した。

 司法筋によれば、女性は事件当夜、パリ市内のアイリッシュ・パブで酒を飲んでいた際に問題の警察官らと知り合った。パブは観光客に人気のサンミシェル(Saint-Michel)橋近くにあり、警視庁の職員がよく訪れるという。

 警察官らは、セーヌ(Seine)川を渡ってすぐの自分たちの職場まで一緒に来ることに女性が同意したと供述している。パリ警視庁は、その住所から「オルフェーブル河岸36番地(36, Quai des Orfevres)」の名で広く知られている。

 4人のうち1人は女性と同意の上でセックスをしたことを認めたが、性的暴行については否定している。女性は暴行を受けたとされる直後に警察官らを刑事告訴した。検査でDNAサンプルが採取されたが、結果はまだ出ていない。

 捜査では、訴追された警察官2人が現場で証拠のもみ消しを謀った疑いが出ている。捜査関係筋によれば、女性が告訴した後に女性の眼鏡とストッキングがなくなったという。(c)AFP