【4月28日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は27日、故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)(在位1978~2005年)と故ヨハネ23世(John XXIII)(同1958~63年)の2法王を「聖人」とする列聖式を執り行った。列聖式には、20世紀の歴史を形作った2法王のために各国から数十万人の信者が参列した。

 法王が「ヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世を聖人に宣言し認定します」と述べると、サンピエトロ広場(St Peter's Square)に集まった巡礼者と外国の要人たちからは、拍手と「アーメン」の唱和が起きた。

 フランシスコ法王は、2人を「カトリック教会の改革」に尽力した「勇気ある人」とたたえると、「20世紀の数々の悲劇を生き抜き、屈することはなかった」「2人にとっては神の方が強かったのだ」と語った。

 式典には昨年退位し名誉法王となったベネディクト16世(Benedict XVI)(87)も姿を現し、フランシスコ法王は温かい抱擁で迎えた。今回の列聖式は、在世の法王2人が一緒に行う初めてのミサとなったほか、カトリック教会の指導者2人が同じ日に聖人と宣言されたのも初めてで、「4法王の日」とも呼ばれている。バチカン(ローマ法王庁)によると、式典にはサンピエトロ広場内外の50万人を含め、80万の人々が参観した。

 ヨハネ・パウロ2世は、絶大な人気を誇る一方で、27年間の在位中に多くの左派カトリック者を疎外した人物ともされ、司祭による児童性的虐待の暴露に目を閉ざしたとも批判された。また在位中には世界各国を訪れ、東欧諸国の共産主義転覆を助けた。一方、「善良な法王ヨハネ」と呼ばれるヨハネ23世は、1960年代にカトリック教会の改革を開始したことで最も良く知られている。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE, Laure BRUMONT