【4月28日 AFP】ウクライナ東部スラビャンスク(Slavyansk)の親ロシア派武装勢力は27日、拘束した欧州安保協力機構(OSCE)軍事監視団のメンバーらを「戦争捕虜」として記者会見に同席させた。

 反政府派占拠下にあるスラビャンスクの市長を名乗るバチェスラフ・ポノマリョフ(Vyatcheslav Ponomarev)氏は、市庁舎に集まった数十人の報道陣の前に、同監視団の欧州人団員8人を引き連れて現れ、「戦争状態にあるこの町では、われわれの許可がない軍人は戦争捕虜とみなされる」と述べた。

 武装メンバー4人が見守る中、監視団のドイツ人メンバー、アクセル・シュナイダー(Axel Schneider)氏は、団員らは良好な健康状態にあるとした上で、自分たちは「外交上の地位を持ったOSCE職員」であることを強調。「私は自分の自由意志で帰国することはできない」と語った。

 武装勢力側がAFPの取材に語ったところによると、記者会見の後、監視団のスウェーデン人メンバー1人が糖尿病を患っていることを理由に釈放された。

 オーストリア・ウィーン(Vienna)にあるOSCE本部も同メンバーの釈放を確認し、「その他の軍事監視官と随行者全員の釈放に向け、OSCEは引き続き努力していく」と発表している。(c)AFP/Bertrand DE SAISSET, with Stephen COLLINSON in Kuala Lumpur