【4月22日 AFP】南スーダンの反乱軍を率いるリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領は、同国北部の油田地帯を掌握する策略を練っていないときは、政治・経済の歴史を解説した「国家はなぜ衰退するのか(Why Nations Fail)」を読んで過ごしている。

 そんな話を聞いたら、マシャール氏には、反乱兵や少年兵を多数含む民兵が政府軍への攻撃に備える反乱軍拠点を見回っているほうが似合っていると、皮肉る人もいるだろう。南スーダンで約4か月前に始まった紛争では、すでに数千人もの人々が犠牲になっている。

「私はもう戦いたくなかった」。マシャール氏は最近にAFPが反乱軍の拠点で行ったインタビューで、こう語った。人々は、彼がゲリラ軍の指揮官として戦ったスーダン内戦によって、もう戦いはこりごりだと思っているという。

 20年以上続いたこの内戦により、南スーダンは2011年に分離独立を実現した。しかし、この世界一若い国は、誕生してから3年もたたないうちに崩壊への道をたどっている。停戦合意が破られた今、国連(UN)は100万人以上が飢餓に瀕していると警告し、専門家たちはこの紛争が周辺国も巻き込んでいると指摘する。

 反乱軍の攻撃が再開し、複数の民兵勢力による報復が発生して暴力が悪化するなか、これまでに100万人以上が家を追われた。

 エチオピアの高級ホテルで開催された和平交渉は成果をほとんど出しておらず、専門家らは、紛争の解決には紙の上の合意以上の大きな変革が必要だと警鐘を鳴らしている。