■携帯電話、10年で急激に普及

 トブゲイ首相はAFPの最近のインタビューで「技術は破壊をもたらすものではない。ブータンの繁栄に貢献し得るものだ。携帯電話が導入されたのは10年前だが、わが国はそれを非常にうまく採用し、今ではほとんど全ての国民が携帯電話を持っている」と話した。

 トブゲイ首相は、民主主義が芽生えたばかりのブータンで、政府がさまざまな問題に対する認識を高める手段としてソーシャル・メディアが重要で積極的な役割を果たしたと指摘した。トブゲイ首相のフェイスブック(Facebook)は2万5000人を超える人からフォローされている。ラムサン氏によると、ブータン国内のフェイスブックユーザーは8万人で、その数は日ごとに増えているという。

 ブータンでは家にインターネットの回線がある家庭はまだ少なく、インターネットカフェは急激に増えた。あるインターネットカフェの従業員によると、最も利用者が多いのは学生が試験の結果を確認したり、オンラインで授業の履修登録をしたりする時期だという。

 この従業員は「スマートフォンが増えると、うちのお客さんが減るのではないかと少し心配です」と話した。

 ブータン南部サムツェ(Samtse)の高校生スラジ・ビシュワ(Suraj Biswa)さん(18)はスマートフォンは完全に生活の一部になっていると言う。

「スマートフォンでインターネットに接続して、フェイスブックを使ったり、写真を編集したりできます。フェイスブックは外国の友達や親戚と連絡を取るのに使っています。例えば、私はネパールにいとこがいるんですが、インターネットとフェイスブックがなければその子たちと連絡が取れません」

(c)AFP/Patrice NOVOTNY