【4月18日 AFP】イランで、殺人罪で死刑判決を受けた男が、絞首刑の執行直前に被害者の母親によってその罪を許された。この死刑囚については、免罪を被害者の遺族に求める運動が展開され、注目を集めていた。

「バラル(Balal)」の名でのみ知られる同死刑囚は15日、絞首台の周りに集まった大衆の目前で、刑執行の直前にその命を救われた。この劇的な展開は、イランのみならず世界中の人々を驚かせた。

 バラル死刑囚が2007年に殺害した男性の母親、サメレー・アリネジャド(Samereh Alinejad)さんは、死刑囚から「血の賠償金」を受け取って罪を許すことを直前まで拒んでいた。血の賠償金は、イスラム法で定められている被害者の遺族に対する賠償金。

 もう1人の息子も4年前に交通事故で亡くしたアリネジャドさんは、刑執行に集まった野次馬に向かって「空っぽの家に住むのがどんなにつらいか、分かるのか」と大声で問いかけた。