【4月17日 AFP】ヨルダン空軍は16日、内戦が続くシリアからヨルダンに越境しようとした複数の「偽装車両」を戦闘機で空爆した。3年前にシリア内戦が勃発して以降、ヨルダン軍の戦闘機が越境を試みる車両を空爆したのは初めて。

 シリアの首都ダマスカス(Damascus)の国営テレビはシリア軍筋の話として、攻撃された車両はシリア軍所属ではないと伝えた。一方のヨルダン政府も、車両は武器商人が使用していたものとの調査結果を発表している。

 これまでシリア政府は、ヨルダンが、シリアの反体制派に訓練と武器を提供し、同国のバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に反対する蜂起を支援していると非難してきた。ヨルダン側はこれを否定しており、国境警備を強化してこれまでに数十人の不法越境者を拘束したと発表している。

 ヨルダン軍は声明で、「空軍の戦闘機が16日午前10時30分(日本時間同日午後4時30分)、シリアからヨルダンに越境を試みた複数の車両を破壊した」と発表。「カムフラージュ(偽装)された車両は起伏の多い地形の地域から入り込もうとした」「戦闘機は警告射撃を行ったが、車両が無視したので破壊した。わが軍はこのような行為を許さない」と表明した。

 ヨルダンの首都アンマン(Amman)の軍当局者はAFPの取材に、ヨルダン北部のルワイシド(Ruwaished)近くで「車両3台がヨルダン入国を試みた」と語った。

 ヨルダンのモハンマド・モマニ(Mohammad Momani)情報相は、これら車両は武器などを密輸しようとした不法入国者が乗っていたことが、これまでの調査で判明しているとAFPに明かし、「彼らは全員が死亡した」と述べたが、人数は明らかにしなかった。(c)AFP/Ahmad KHATIB