【4月16日 AFP】米ニューヨーク市警(NYPD)は15日、管轄区域内のイスラム教徒に対する監視担当班を解散したと発表した。この監視班は、覆面捜査官を動員していた同班は物議を醸し、強い批判を浴びていた。

 ニューヨーク市警は、かつては「人口動態班」と呼ばれ、近年は「区域評価班」と呼ばれてきたこの監視班について、今年1月以降ほとんど活動しておらず、所属警察官にはその他の情報活動任務を割り当てたと発表した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、全米最大の警察組織によるこの決定は、2001年9月11日の米同時多発テロ以降、前任者の下で継続されてきた情報収集活動の一部から転換しようという、ウィリアム・ブラットン(William Bratton)新警察委員長の方針が初めて示されたものだと論じている。

 市民的自由の擁護団体などは、この決定を重要な第一歩だとして歓迎する一方で、イスラム教徒に対する監視活動が今後他の部署に移管されることのないよう警告した。

 同市在住のイスラム教徒らは、監視対象にされたことで何十万人もの無実の市民が汚名を着せられたとして、この情報収集プログラムに対する訴訟を起こした。イスラム教の市民団体「米イスラム関係評議会(Council on American Islamic RelationsCAIR)」のライアン・マホニー(Ryan Mahoney)委員長は「宗教のみに基づく違憲な大衆監視による危害はすでに及んでおり、正されなければならない。市長及びNYPDから(これまでの)方針自体がもう存在しないことを聞く必要がある」と述べた。(c)AFP