【4月16日 AFP】ハンガリー・ブダペスト(Budapest)のブダペスト動植物園(Budapest Zoo and Botanic Garden)で15日、先週生まれたばかりのフタコブラクダ(野生種、学名:Camelus ferus)の赤ちゃんが初めて公開された。野生種のフタコブラクダは現在、絶滅危惧種に指定されている。

 赤ちゃんラクダのイリアス(Ilias、雄)は9日、8歳の母親のイリス(Iris)から生まれた。同園では数世代にわたってイリスの母系を飼育してきた。

 飼育係によると、イリアスの父親はハンガリー北東部の都市ミシュコルツ(Miskolc)にある動物園から連れて来られたという。親子で過ごす時間を尊重し、15日の公開は報道陣のみが対象とされた。

 ブダペスト動植物園の広報担当、ゾルタン・ハンガ(Zoltan Hanga)氏は、AFPの取材に「イリアス誕生後にある問題が起きた。赤ちゃんは母親からミルクをもらおうとするのだが、母親は今回が初めての出産で経験が全くなかった」としながら、「われわれ飼育係は母親を押さえつけて、赤ちゃんの授乳を優しく助けなければならなかった」と説明した。

 現在、フタコブラクダの大半は家畜化されており、野生種は約800~900頭の小さな群れが、モンゴルと中国のゴビ砂漠(Gobi desert)に生息している。専門家らによると、これらは絶滅にひんしているという。

 1866年に開園したブダペスト動植物園は、世界最古の動物園の1つ。(c)AFP