【4月15日 AFP】米コロンビア大(Columbia University)は14日、今年のピュリツァー賞(Pulitzer Prize)を発表し、公益部門では米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元契約職員の情報提供に基づいた英紙ガーディアン(Guardian)と米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の報道が選ばれた。

 両紙は、NSAが秘密裏に運用してきた市民監視プログラムに関する議論を巻き起こしたことが評価された。両紙共にスノーデン元職員から提供された文書を情報源としていた。米国に訴追されている同元職員は、現在ロシアに一時亡命している。

 これらの記事で鍵となる役割を果たした記者には、すでにガーディアンとの契約を解消しているグレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏や同僚のユエン・マカスキル(Ewen MacAskill)氏、また過去に同賞を2度受賞しており、ワシントン・ポスト紙上の関連記事の大半を執筆したバートン・ゲルマン(Barton Gellman)氏などがいるが、ピュリツァー賞事務局はジャーナリストの個人名は挙げていない。

 2002年からピュリツァー賞の事務局長を務めているシグ・ギスラー(Sig Gissler)氏は、選考は複雑で、「特にスノーデン元職員に焦点を当てたものではない」としている。同氏は、両紙が「プライバシーと安全保障のバランスに関する非常に重要な議論を刺激することに寄与し、その議論が現在も進行中である」とたたえた。

 スノーデン元職員はガーディアンに寄せた声明で、同賞事務局の決定は「政府の中に、国民が果たすべき役割があると信じるあらゆる者に正当性を与えるものだ」と述べた。(c)AFP/Jennie MATTHEW