【4月11日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)の「妻」に関する記述が含まれる古いパピルス紙片を科学的に分析した結果、これが近代に捏造(ねつぞう)されたものではないことがわかった。10日の米神学専門誌「ハーバード・セオロジカル・レビュー(Harvard Theological Review)」で研究論文が発表された。

 出所はエジプトとみられているこの紙片には、「イエスは彼らに言った。『私の妻は…』」や「彼女は私の弟子になれるに違いない」などの内容のコプト語で書かれた文章が含まれている。

 2012年の同文書の発見は大きな騒動を巻き起こした。キリスト教の教えでは長い間、キリストは未婚だったとされているため、この発見をきっかけに、宗教的な理由による独身や、教会内での女性の役割などをめぐる長年の議論が再燃した。

 ローマ法王庁(バチカン)が発行する新聞は、文法に誤りがあることや、文字が不鮮明なこと、そして出所が不明なことから同文書を偽物と明言。同文書の真正性を疑問視する他の神学者もこれに同調した。それまで、キリストが結婚していたことや女性を弟子にしたことに言及した福音書は存在しなかった。