■割れる専門家の意見

 米国による量的金融緩和の縮小によって、投資資金が新興国から先進国に戻り、BRICSを中心とした多くの新興市場はここ1年で弱体化している。ロシアでは、ウクライナ危機と資本流出の影響で経済が一段と悪化し、ブラジルでは米スタンダード&プアーズ(Standard & Poor’s)が国債を格下げした。

 BRICSの名づけ親、ジム・オニール(Jim O'Neill)氏は、新たな新興国として、メキシコ、インドネシア、ナイジェリア、トルコの4か国(MINT)を提唱している。一方、英経済誌エコノミスト(Economist)の調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は、コロンビア、インドネシア、ベトナム、エジプト、トルコ、南アフリカの6か国(CIVETS)を次の有望国とみている。

 しかし、「とっぴな名前が付けられたブームは数年しか続かない」と冷静な見方をするのはINGインベストメント・マネジメント(ING IM)のストラテジスト、マールテンヤン・バッカム(Maarten-Jan Bakkum)氏。

 バッカム氏は、「大きな新興市場ではレバレッジ解消が進んでいる。だが、それらの国のように過剰な資本流入がなかったフロンティア市場ではそれが起きていない」と話す。さらに、新たに注目されている新興国では当局による規制が障害で、流動性は特に大きな問題だと指摘した。(c)AFP/Aurélia END