【4月9日 AFP】競泳で素晴らしい実績を残したオーストラリアのイアン・ソープ(Ian Thorpe)氏が、度重なる肩の手術が原因で感染症を患い、シドニー(Sydney)市内の病院の集中治療室に入院していると報じられた。

 AAP(Australian Associated Press)通信によると、五輪の競泳で通算5個の金メダルを獲得した31歳のソープ氏は、スイスのロンコ・ソプラ・アスコナ(Ronco sopra Ascona)にある自宅近くの病院で手術を受けたあと、感染症にかかったと伝えている。

 ソープ氏のマネジャーを務めるジェームズ・アースキン(James Erskine)氏は、AAPに対して「深刻ではあるものの、生命を脅かすほどではない」とコメントした。

 アースキン氏はまた、ソープ氏の腕が不自由になるという報道を否定したものの、同氏がふたたび競技に復帰することはないだろうとの見解を示した。

「競技的な観点から言えば、彼が競技復帰できるとは思えない」

 異常に大きい手足が成功の要因とされているソープ氏は、2000年のシドニー五輪と2004年のアテネ五輪で合計5個の金メダルを獲得するなど、五輪出場経験のあるオーストラリア人選手で最多のメダルを手にしていた。

 ソープ氏は2001年の世界水泳選手権(FINA World Championships)で史上初めて1大会6冠を達成するなど、世界水泳で通算11個の金メダルを獲得しており、コモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games)でも計10個の金メダルを手にしている。

 2006年に競技意欲を失ったとして現役を引退したソープ氏は、2012年のロンドン五輪出場を目指して競技復帰を果たしたが、大会出場を逃していた。(c)AFP