【4月9日 AFP】スペイン議会は8日、北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州が提出していた分離独立の是非を問う住民投票の実施の請願を、反対299、賛成47、棄権1で否決した。

 マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相は採決に先立ち約7時間にわたって行われた審議の中で、「私は、カタルーニャなしのスペインも、スペインと欧州から外れたカタルーニャも想像できないため、カタルーニャがスペインにとどまるべきだとの立場を擁護する」と表明していた。

 ラホイ首相率いる保守与党・国民党と、最大野党・社会労働党、中道の進歩民主主義連合はいずれも、住民投票を断固阻止する意向を表明していたため否決は確実視されていた。カタルーニャ自治州政府は採決の結果を受け、今後も闘い続ける姿勢を示した。

 独自の言語を持ち、スペイン内での自治権拡大を求めて長く闘ってきた歴史を持つカタルーニャ自治州は、住民投票を今年11月9日に実施する許可をスペイン議会に求めていた。

 だがラホイ首相は、スペイン憲法は同国の主権にかかわる住民投票は一地域だけではなく全国で実施しなければいけないと定めているため、住民投票は違憲であるとの見解を改めて示した。(c)AFP/Sylvie GROULT