【4月9日 AFP】米国は8日、ウクライナ東部の分離独立の危機をあおっているのは工作員を送り込んでいるロシアだと非難した。この危機についてはロシアも、内戦に発展する恐れがあると認めている。

 ウクライナでは、南東部のクリミア(Crimea)半島がロシアの支配下に入ったのに続き、6日にはロシア系住民が多い東部のドネツク(Donetsk)やハリコフ(Kharkiv)、ルガンスク(Lugansk)で過激派が行政庁舎などを占拠し、ロシア政府に支援部隊を派遣するよう求めていた。

 これに対し、ウクライナ暫定政権は8日、東部の分離主義者らを「テロリスト」として扱うと宣言。分離独立の動きにロシア政府が関与していることを証明するために夜間の治安作戦を実施し、70人を拘束した。

 米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官も同日、ロシアが混乱を助長するためにウクライナ東部に工作員を派遣しているとして、ロシアを公然と非難。その様子は、最後に残された外交儀礼さえも捨て去ったようだった。

 ケリー氏は米議員らを前に、「ウクライナ東部で活動するロシアの工作員らの動きから、これまでの48時間にわれわれが目にしてきたことはいずれも、彼らが混乱を生み出す狙いで派遣されていることを明示している」と述べた。

 英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相もケリー氏の発言に同調し、同域で激化する混乱には「ウクライナを不安定化させようというロシアの戦略のあらゆる特徴が表出している」と指摘した。