ウクライナで数か月に及び続く政変により、欧州連合(EU)の東側に隣接する広大な同国が民族分布に沿って分裂する恐れが生まれただけでなく、東西関係にも修復に数十年を要するかもしれない深い亀裂が入った。

 とはいえここまでの激しい論戦は、数十年間にわたり核の脅威が続き世界全体の安全保障が危ぶまれた冷戦時代のような外交関係の完全崩壊には至っていない。ケリー氏は、米露に加えウクライナとEU外交官らを交えた四者協議に備えるため、「来週欧州で」ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と協議する意向を明らかにしている。

 一方、ロシア外務省は8日、ウクライナ暫定政権が「内戦勃発の危険をはらんだ(同国東部での)軍事作戦の準備を進めている」と非難し、ウクライナ側にさらなる圧力を掛けた。ロシアはさらに、米国が提案した四者協議について、ウクライナの南部と東部の各地域の代表も参加させるべきとの厳しい条件を提示しているが、これはウクライナ暫定政権にとってはとうてい受け入れられないものだ。(c)AFP/Nicolas MILETITCH and Dmitry ZAKS in Kiev